森之宮さん

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森之宮さん

「大阪支社から来た森之宮です。 頑張りますのでよろしくお願いします」 営業部のドアが開いて、大阪から転勤してきた森之宮さんが挨拶を始めた。 どんな人だろう。 書類から顔をあげ、森之宮さんをチラリと見ると、ズキューン! 一瞬で胸が苦しくなってきた。 何、この感情? 恋は何度も経験した。 しんちゃんにはときめかなかったけど、キュンキュンした恋愛もあった。 だけど、一瞬で心を奪われたのは初めて。 もう一度彼を見ると、彼も私の方をじっと見ている。 「お二人さん、見つめあってどうしたの?」 課長が私達を冷やかしてきた。 「なんでもありませんから! 森之宮さん、よろしくお願いします」 気持ちがバレたのかと、焦って挨拶をした。 それから、机に向かって資料を見ても、頭の中に森之宮さんがずっと浮かんでくる。
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