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私にはしんちゃんがいるのに。
何度も何度も頭から森之宮さんを消そうとしても消えない。
「営業に行ってきまーす」
森之宮さんで心がいっぱいになるのが怖くて急いで会社から出た。
森之宮さんは確かにイケメンだけど、この程度なら今までもいない事もなかった。
ぱっと見た時、笑顔が可愛かったけど、それだけで、ここまで気になるものなの？
気を落ち着けるために、飛び込み営業をしていると、まだ生まれたばかりの赤ちゃんをだいている若いお母さんと目があった。
「赤ちゃん可愛いですね」
思わず声をかける。
赤ちゃんを見ていると心が癒されて、ドキドキした感情が静まっていく。
赤ちゃんを抱かせてもらって、仲良く話していると
「赤ちゃん保険気になっていたんです。
杏奈さんと知り合ったのも何かの縁ですね。
家で保険の話を聞かせてもらえませんか？」
お母さんの方から誘ってくれ、家でランチをご馳走になった上、赤ちゃん保険の契約もしてもらう事が出来た。
こんな素敵な出会いは始めて。
ハッピーな気分で会社に戻ると、同じタイミングで会社に向かっている人が……
「杏奈ちゃん。 一緒のタイミングだね。
実は君を最初に見た時から、ビビビッっときたんだよね。
良かったら、仕事が終わってから食べに行かない？
俺、まだどこに何があるかわからなくて。
お勧めの店を教えてもらえると助かる」
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