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ああ、いつもの朝がやってくる…
顔を洗って、
ご飯を食べて、
服を着替えて、
そして学校へ行く。
駅へ向かうバスの中は、むさ苦しい。
改札口から出てくる人がうっとしい。
電車内の温度が気持ち悪い。
嗚呼、春のせいか眠いのに寝れない
学校に行く女子達がうるさい。
学校に行く男子達もうるさい。
そして一番うるさいのは、自分の心の中の文句というのが、どうしようもないくらい現実逃避したくなる。
「はよー」
---嗚呼、一番嫌な奴が来た
後ろから来る声に、眉間が寄ってくるのが感じる。
「おはよう」
あいつはいつもと同じように爽やかな笑顔を見せてくれた。憎いほど良い男だ。
「あれ?なんか元気ない?」
「少し寝不足だけだ」
自然と顔を近寄って来るが、ものすごく不愉快だ。
---嗚呼、柑橘類の香りが彼にとても合っている
「なんかやってた?」
「イヤ、特に何していなかった」
…でもそれは彼の匂いではない
その事を嫌なほどわかる。
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