プロローグ

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 沙織は何でも半分に分けるのが好きだった。  食べ物はもちろん、車の運転や、冷蔵庫の中身まで。  1度、理由を聞いたことがあるのだが、「いいの。私が好きでやってるんだから。」と、答えになっていないことを言われた。  共有する幸せ。僕はそういう認識で、自分を納得させていた。説明がない以上、それが1番しっくりくる答えだと思っていた。  そうではないことが分かったのは、沙織と付き合って半年くらい経ったある夏の日のことだった。
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