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「せーの」  2人同時に部屋に足を踏み入れる。2人のルール。  僕は急いで靴を脱ぎ、リビングに向かい、エアコンのスイッチを入れた。ちょっと不満そうな沙織。 「えーっ。ずるーい。」 「ごめん、ごめん。早く涼しくなりたかったから」  沙織の希望としてはリビングに入るのも一緒がいいらしい。まあルールではないので、僕はあまり気にしていないのだが。    ソファに座って全身の力を抜く。沙織がタオルを持ってきてくれた。 「お、ありがと。」  夫婦ってこんなんなのかな。ふと思った。   「ねえ、アイス食べる?シャワー浴びる?」 「んー。とりあえずだらっとする。」  沙織も汗を吹きながら、僕の隣に座った。 「ねえ、子供が出来るならさ-。双子がいいなー。」 「なんだよ、いきなり。」 「だって2人同じ年齢で、きれいにはんぶんこ出来るじゃない。」 「まあね。」  結局、シャワーを浴びてから、アイスを食べることにした。予告通り、半分食べてから、交換した。 「なあ。何でそんなに半分が好きなんだよ。」 「教えなーい。」  無邪気に笑う。愛しい。  抱き締めたいが、アイスを食べている途中なので、我慢する。沙織がふふっと笑った。 「何だよ。」 「なんでもないよ。」  沙織はたまにこういう所がある。僕の意味の分からないところで笑っていたりする。原因はいつも教えてくれない。  
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