22人が本棚に入れています
本棚に追加
そっと、声のするほうに近より、のぞいてみる。
レラだ。
レラが鏡にむかって、しゃべってる。
「ねえ、知ってる? レラ」
「なあに。レナ」
「あのとき、あなたは眠ってたでしょ?」
「レナがいなくなったときのことね。あの少し前に飲まされたミルクが怪しいと思う。だって、急に眠くなったもの」
「あなたに知られたくなかったのね」
「そうね。あなたを殺したのが、誰なのか」
「そんなことしたって、ムダなのにね」
「だよね。だって、わたしたちは、二人で一人」
「体を半分にしたって、心が、つながってる」
うふふ、うふふと、笑い声が続く。
これは、悪夢なの?
わたしは、ただ、愛する人の子どもが欲しかっただけなのに……。
最初のコメントを投稿しよう!