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第4話 ポプラに勇気を
お嬢さんはゆっくりと地面から
"ふわふわ"を拾って
「来年またあなたがお花を咲かせたら、その時はもらってもいい?? お母さんに世界にたったひとつのプレゼントをしたいの。」
お嬢さんは微笑んで"ふわふわ"を空に放ちました。
あの時僕は考えました。
僕の花を押し花に。
でも本当は知っています。
僕の花は、お母さんの無くなって
しまった押し花に代わるほど
綺麗な花ではありません。
それでもうつむき泣いてしまいそうな
少女の力になりたくて
僕は枝を揺らしていました。
お嬢さんの放った"ふわふわ"が遠く空に消える時、僕は一度だけ赤いリボンを揺らしました。
するとお嬢さんは少し大きく目を見開いて
「今、いいよって、言ってくれたの?」
気恥ずかしいです。
バサバサ!バサバサ!バサバサ!
「だからだめよ!」
その時、一斉に"ふわふわ"が風に乗って飛んでいきました。
新記録です、どこまでいくのでしょう。
おばあさんの言う通りでした。
僕は自分とおばあさんの言葉が
とても誇らしくなりました。
会いたい。
"ふわふわ"といっしょに届くといいな。
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