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私たちの担任である男性がアナウンスから聞こえてくる。
『ねぇ、あなたたち。私を見て……』
『なっ……』
そしてアナウンスは途切れた。
「ねぇ、嘘よね?」と目の前にいる学級委員の女子。
彼女の名は有川弓梨(ありかわゆり)。私たちの学級委員であり、他の学級委員をまとめる学級委員長でもある。
「嘘でありたいですね……。委員長、これからどうします?」ともう一人の男子の学級委員が言う。彼の名は福澤豊(ふくざわゆたか)である。
「そうね……」と委員長はしばらく黙り込んでから生徒達の机の間を歩く。
「委員長?」と福澤君は聞く。
彼女はとある席に立ち止まってとある生徒に聞く。
「ねぇ、原川結衣さん。その噂のこと……詳しく教えてくれないかな?」
「えぇ……」と結衣は答える。
その時だった。一人の女子学生が両手で机を叩いて右手で委員長を指差す。
「ちょっと待ちなさい!!あんた、彼女に話を聞いて責める気なんでしょ?かわいそうに言わなくていいわよ、川原さん。いいえ、生徒会長命令で言うな。その口をホチキスで止めるわよ」
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