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そう、口を出したのは生徒会長である鴎川桃子(かもめがわももこ)。彼女と委員長は一年生の頃から……いや、この学校に足を踏み入れた瞬間から犬猿の仲らしい。そして怒る時は彼女の口癖で一言余計である。それが分かっている人にはいいのだが、知らない人はその場で泣いてしまう人も出てしまうが男女共に涙を自分のハンカチで自ら拭いて気持ちが落ち着くまで接してくれる優しい人である。それだからこそ生徒会長に選ばれた存在である。
「なんか鳥さんの鳴く声が聞こえるかと思いましたら……あらあらカモメさんでしたか。川は外にありますわよ?それに口をホチキスなんてかわいそうに人間の痛みなんて分からないんですね……うぷっ……」
手のひらを唇に付けて委員長は笑う仕草をする。
「出たよ、委員長と会長の激突が」と隣の男子生徒は言うと、「でも、どちらも必死でかわいいよな」とその前の男子生徒も彼女たちを煽る。
私はなんかストレスで心が痛くなった。アナウンスから流れる音声を聞いた後に彼女たちが激突しているからだろうか。
「うぷっ……てはしたない。空気を汚す気です?」
「はぁ?私よりも権利がある上だからって何様?ここの指揮を取れるのは私ですよー?あんたは静かに私の話を聞いていればいいのです」
我慢の限界が来て私は二人に言った。
「委員長も鴎川さんも……」
その時、私の後ろで凄い音がした。そして鴎川さんの声で「友美ちゃんに名前を呼ばれた……幸せ……バタッ……」と言うのが聞こえた。私は微かに身震いがした。彼女はなぜか私のことを好きになっていたのだ。私は彼女のことを気にせずに話を続けようとするが、それを止める者が口を開いた。
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