第5章 芽生えの国の王太子 3

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着慣れない王族の正装に、セレはちょっと照れ臭そうだったが、衣装に負ける事も無く、良く似合っていた。 その姿に、よくぞここまで無事に成長したものよ、と感動したのがついこの間の事の様だ。 そして、次に見たのは… 棺の中に収まっている姿だった… 離宮からセレの訃報が届いた時の衝撃。 …今だから『心臓が凍る』などと言えるが、あの時は言葉など浮かばなかった… 心の中のビジョンはまだぼやけたままだ。セレの死を確定したくないのだ。 「今でも何処かで生きているのでは、と思うのだよ…」 オーリは独り言を呟いた。
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