○○の半分

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○○の半分

 今まで、擬人化のアニメやゲームは沢山見てきたけれど、まさか自分が、こうして、擬人化された人物に好かれるとは思っていなかった。  ……キウイの、半分に。 「本当に君のことが好きなんだ。信じられないかもしれないけれど、僕はキウイの半分だ。だから身長が半分の九十センチで、服は何時も五分丈のへそ出し、半ズボンにビーチサンダルなんだ。この半分の眼鏡も、勿論仕様だ」  この真冬に、風の子みたいな恰好してるなとは思っていたんだ。けれど、それがキウイの半分の擬人化だったからだとは、誰が思いをするだろうか。一応服の色合いが茶色と黄緑で統一されてるのは、少しでもフレッシュなキウイ感を出すためなのだろう。いや、子供って。フレッシュすぎるだろう。 「いつも子供と間違われるけど、本当は誰よりも大人さ。だから……お願いします、付き合って下さい!!」 「と、言われましても……」  仮にこれで付き合いだしたら、お姉さんが少年趣味あるみたいじゃね? 「アハーン」  そう言う大人感は要らない。 「僕、コーヒーだって飲めるし、ピーマンだって食べれるんだ!」  それを出来たところで、確実に大人とは言えないのだが……。そもそも、キウイの半分ってピーマン食べられるんだ。 「お、お願いします……まずは手つなぎからでも良いから……お願い」  子供特有の無垢な瞳で見られてしまっては、私も駄目と言うことが出来なかった。こんな、可愛らしい涙目で訴えられてしまえばね。  私はキウイの半分の手を握り、しゃがんで言った。
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