1人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
蒲生颯太はベットに横たわりスマホをイジっていた。
「なんだって!賞金が出るのか」
颯太の見ていたサイトでは、とあるコンテストの募集をしていた。今まで何気なく利用していたサイトでコンテストが開催されていて、しかも賞金まで出るなんて思ってもみなかった。
「うっわ今まで損してたぁ」
両手で顔を覆い大袈裟に残念がると、急いで立ち上がり、外出着に着替える。とりあえず、今からそのコンテストってやつに参加するのだ。
とりあえず、食パンをかじりながら家を飛び出したのは、もしかしたら恋の始まりを期待してのことかもしれない。
いつもは近くにある在来線の電車が主な移動手段だが、コンテストに参加するには地下鉄に乗らなくてはならなかった。
颯太は走った。
少し慌て過ぎな気もしたが、気持ちだけがグイグイ前に行ってしまう。
いつもの駅より、少し遠く。使いなれない地下鉄の駅の階段を駆け降りる。
レトロな商店街がある地下鉄の駅は、時間が止まったようだった。
「駅に床屋さんとかあるのかよ?絶対頼みたくねぇな」
古びた床屋さんを横目に改札を目指す。
切符を買い、改札を抜けて、電車はもう到着していた。
颯太は急いで駆け込み乗車、内心、そんなに慌てなくてもいいのになと苦笑いする。
地下鉄に乗って、颯太はコンテストを受けに行く。
最初のコメントを投稿しよう!