聞いた話Vol.2

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 夏の日差しが照りつける。そんな日差しの容赦ない直射を受けつつも、車内はエアコンが効いていて快適だ。  路肩に車を停めてスマホを操作していた。すると、幼稚園か小学校の低学年くらいの小さな男の子が私の車の窓をコンコンと叩いた。 「どうしたの?」  私は車の窓を開けて男の子に問い掛ける。すると、男の子はここで遊んでいるんだと返事があった。  近所の子供だろうか? 辺りを見回しても親の姿は見あたらない。最近では道路族という言葉をよく耳にするが、こんな小さな子供が道路で一人っきりなんて危なくて仕方がない。 「お姉ちゃん、こんなところで何してるの?」  今度は男の子の方が私に質問してきた。 「お姉ちゃんはここで休憩してるんだよ」 「そうなんだ。でも、ここは危ないよ? 早く離れた方がいいよ?」  男の子は背伸びして窓の外から私にそう語りかけてくる。その表情は何か焦っているのか、必死さが伝わってくる。まるでトイレを我慢している時のような、子供特有の余裕がない表情だ。  私は思わずどうして危ないのと問いかけてしまった。そこでようやく気がついた。この男の子の姿がドアミラーに映っていないことに…… 「僕ね、ここで車に轢かれちゃったの。だからここは危ないんだよ」  男の子の背後にある電柱の下に花が添えられている光景が目に飛び込んできた。私は、急いでその場から車を走らせた。
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