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と思いきや、なにやら見慣れたものが。
「ほらこれ、この音楽プレーヤーと、時計。君のだろうが」
「あ、ハイ・・・これは僕のです・・・。」
確かに僕のiPod nanoと、時計であった。
僕は普段音楽をスマホで聴いてしまうので、すっかり存在を忘れていた。
時計も、祖父の形見の大事な時計ではあったが、盤面ガラスが割れ、すっかり箪笥の肥しとなっていた。
「だからさ、2週間前に君は空き巣に入られ、物を盗まれた。間違いないね」
「ハイ」
「まったく、手間をかけないでよ。じゃあ来週また供述を取りにくるから、家にいてくれる?」
「はぁ・・・」
ともかく、僕は難を逃れたのだった。
しかし、めんどくさいことになった。
そもそもiPod nanoと、時計に関してはどこにあったかすら覚えていない。
バイブは、あんなにもハッキリクッキリと隠し場所を鮮明に覚えているのに。
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