林檎と夢

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……まわりの子は林檎を食べてる。 美味しそうに。 でも、私の手にはなくて。 「食べる?」 誰かが、自分の林檎を半分にして私に渡してくれる。 それを受け取って、ふたりで並んで食べて……。 「あ……」 目が覚めて見えた天井。 寝ぼけたあたまでどこだか考えて、昨日、経理の若手くんときたホテルだって思い出した。 「いつもの夢、か……」 もそもそと起き出してベッドを出る。 バッグの中からいつも持ち歩いてる、携帯歯ブラシ出して浴室へ。 シャワーを出して髪と身体を洗い、歯磨きもすませる。 「遅刻してもあなたの責任」 身支度すませて部屋を出ようとしても男は起きない。 無視してホテルを出、会社近くのコーヒーショップでサンドイッチの朝食。
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