第二章

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「お前はさ、その男から見たら凄く魅力的何だから、簡単に人に心許すなよ」 「都会の人は物騒って聞いたことあるけど本当なんだ?」 手を繋ぐだけでも今では凄く恥ずかしいのに首を傾げられたらもっとドキドキしちまうじゃねぇか。 まあ可愛いから許す! 「ああ、だからあんま俺から離れんなよ」 「大丈夫!その時は翼が守ってくれるんでしょ!」 飛びっきりの笑顔で俺に微笑んでくる和奏に恥ずかしくなって目を逸らした。 守るとは言っても俺だって和奏を完璧に守れる自信が無い、だからあまり俺のそばから離したく無いんだ。 この笑顔が見れなくなるだけで俺はまた…あの三日間の俺に戻ってしまうんだから…… 「あ、ああ!だからと言って前にも言ったけど夜の一人歩きも駄目だぞ!もし何か用事があるなら俺に言えよ」 なんか俺、かなり和奏の身の安全に対して凄く警戒してるな。 まあそうだろう、ただでさえ都会は危険でいっぱいだってのにまだ何も分からない和奏を一人にしたら絶対ふらっと変なおっさんに連れて行かれる。 携帯でも持たせてやろうかな? 「なんか翼って…私に対してかなり慎重になってくれたよね」 当たり前だろ…アホ! 「たりめぇだろ!俺はお前と離れてた時どうなったか知ってんのか?」 「知らない?」 あれ?俺和奏にあの三日間の事話して無かったっけ?ああ、そうか良之がベラベラと話してくれたと思い込んでたんだな。
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