第二章

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「お~す!戻ったぞ………ってあれ?和奏?」 和奏の待つベンチに戻ったのだがそこには和奏の姿が無かったのだ。 頭に嫌な予感がよぎり俺は必死に周りを探し始めた。 「あの馬鹿!離れんなって言ったのに!」 俺は携帯を取り出したのだが、和奏は携帯を持ってない…いざって時に使えねぇな! 携帯をポケットに入れうじゃうじゃいる人の中を探し回った。 頼む…何か事件に巻き込まれてないでよ! 「はぁ…はぁ…たくっ!あいつどこ行ったんだよ!」 「あれ?桜井くんじゃないですか?」 血相変えて和奏を探していると後ろから穏やかな声が印象的な声がした。 「げっ…絵理先輩…」 「ふふ、どうなされたんですか?」 この呑気に微笑む髪の毛に茶色のかかったセミロングの女性は桜沢絵理先輩…元は秋北高校のアイドルでダブり一回目と言う前代未聞の留年で話題を呼んだ凄い人だ。しかも留年した理由が半端ない。 また後程って事で…………厄介な奴に会っちまった。 「い、いえ!何でもないっすよ!」 早く和奏を探したいという気持ちが俺を急かす。絵理先輩はにっこりと微笑むとジワジワ俺に近付いてきた。 「ねぇそれより…さっき、げっ、って言ったよね?それって寄りによって何で私がここにいるみたいな言い方だよね?」 ちなみにこの先輩は一つ隠してる事がある。それは………
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