第二章

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絵理先輩の目がヤバい! 俺は絵理先輩から離れ深々と頭を下げた。 「お願いします!どうか今回だけは見逃してください!」 「ふふ、良いわよ」 「えっ?」 そんなあっさり?あの極悪非道の絵理先輩がそんなあっさりと見逃してくれるのか?絵理先輩の性格上…絶対ありえないんだけど… 「何?その意外みたいな顔?早く行きなさい…ボブチャンチン似の彼女が待ってるわよ」 「ありがとうございます!それじゃあこれで」 俺は再度頭を下げ和奏を探しに走り出した。 しかし、俺は絵理先輩の極悪非道ぶりをこれから痛感する事になる。 とりあえず俺はもう一度ベンチに戻ってみることにしてみた。 元のベンチに戻ってみるとそこにはペットボトルを2つ持った和奏の姿があった。 「和奏!」 和奏は俺に気付くとベンチから立ち上がった。 「どうしたの?凄い汗だよ?」 飲料水の入ったペットボトルをベンチに置くとバックからハンカチを取り出し俺の額の汗を拭いてくれた。 「どうしたのじゃねぇよ!離れんなって言っただろうが!」 つい和奏を怒鳴ってしまった。和奏はびっくりした表情をするとゆっくり俯いてしまった。 「あっ…ごめんなさい……喉が渇いたから…飲み物を買いに…本当にごめんなさい」 でも良かった…和奏が本当に無事で… 俺は俯いてる和奏をギュッと抱き締めた。 「マジで心配したんだからな…」 「ごめんなさい…もう、翼から離れないから」 「うん…お前が無事で本当に良かった…怒鳴って悪かったな」 「ううん、良いの…私が悪いんだから…」 くぅ~!もう最高だぜ!やっぱり和奏は最高の女だ! でも、このいい雰囲気をぶち壊す不純物が俺達に迫っていた。 「へぇ~?ラブラブですねぇ~」 和奏を抱き締めいい雰囲気の中、後ろから聞き慣れた声が…… 俺は後ろを振り向くとそこにはニコニコしながら俺を見る絵理先輩の姿があった。 やられたわ……
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