第一章

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とりあえず俺は制服を着るだけ着て一階へと向かった。 ズボンのベルトもせずYシャツをだらしなく出し首にネクタイを引っ掛けズシリとテーブルに並んでる朝食の前に座った 父さんが目の前で新聞を読み、母さんと和奏はキッチンで朝食作り 「兄さん……だらしない…」 後ろから感情のこもってない声がして俺は後ろを振り向く。 「お~紅……千里かぁ~」 危ねぇ~…また紅葉と間違えそうになったわ。 後ろにはキチッと制服を整えた我が妹桜井千里の姿があった。 「兄さん……また紅葉って言おうとした……紅葉って誰?」 へいへい…俺はシスコンちゃいますよ。 じゃなくて 「悪いな!安曇野村にお前と性格のそっくりな女の子が居たからさ!間違えちまうんだよ」 「最低……兄さんは実の妹を他人と間違えるんだ……」 最低とか言っときながら表情が無表情なまま何ですけど~?たくっ…紅葉に似て心の読めない奴だ! 「はいはい!姉弟喧嘩はそこまで!ご飯出来たわよ!」 母さんが器に入ったサラダをテーブルのど真ん中に置いた。 今のが姉弟喧嘩に見えると思う奴がいるとでも思うのか? そんなこんなで俺達は椅子に座って朝ご飯 を食べ始めた。 ちなみに俺の隣に和奏が座りその隣に千里、向き合って母さんと父さんだ。 「ねぇ翼!どうそのサラダ?おいしい?」 飛びっきりの笑顔で訪ねてくる和奏。そうか…このサラダは和奏が作ったんだな。切り方がおおざっぱだ。 「おう!美味い!世界一美味いサラダだぜ」 「や、やだぁ…そんなに褒めないでよ~」 真っ赤になって俯いた和奏。 フヘヘ……可愛いぜ。
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