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とりあえず俺は制服を着るだけ着て一階へと向かった。
ズボンのベルトもせずYシャツをだらしなく出し首にネクタイを引っ掛けズシリとテーブルに並んでる朝食の前に座った
父さんが目の前で新聞を読み、母さんと和奏はキッチンで朝食作り
「兄さん……だらしない…」
後ろから感情のこもってない声がして俺は後ろを振り向く。
「お~紅……千里かぁ~」
危ねぇ~…また紅葉と間違えそうになったわ。
後ろにはキチッと制服を整えた我が妹桜井千里の姿があった。
「兄さん……また紅葉って言おうとした……紅葉って誰?」
へいへい…俺はシスコンちゃいますよ。
じゃなくて
「悪いな!安曇野村にお前と性格のそっくりな女の子が居たからさ!間違えちまうんだよ」
「最低……兄さんは実の妹を他人と間違えるんだ……」
最低とか言っときながら表情が無表情なまま何ですけど~?たくっ…紅葉に似て心の読めない奴だ!
「はいはい!姉弟喧嘩はそこまで!ご飯出来たわよ!」
母さんが器に入ったサラダをテーブルのど真ん中に置いた。
今のが姉弟喧嘩に見えると思う奴がいるとでも思うのか?
そんなこんなで俺達は椅子に座って朝ご飯 を食べ始めた。
ちなみに俺の隣に和奏が座りその隣に千里、向き合って母さんと父さんだ。
「ねぇ翼!どうそのサラダ?おいしい?」
飛びっきりの笑顔で訪ねてくる和奏。そうか…このサラダは和奏が作ったんだな。切り方がおおざっぱだ。
「おう!美味い!世界一美味いサラダだぜ」
「や、やだぁ…そんなに褒めないでよ~」
真っ赤になって俯いた和奏。
フヘヘ……可愛いぜ。
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