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俺は飯を食べ終え良之がくる前にだらしなく出たYシャツをズボンにしまいYシャツのボタンを閉めた。
「母さん、頼むわ。」
俺は両手をバッと広げて母さんの目の前に立った。
「はぁ…あんたね~18にもなってネクタイが結べないなんて恥ずかしいじゃない!」
呆れ顔で食べ進めていた箸を止め立ち上がり俺の首に引っかかってるネクタイを手に取った。
良いんだよ…俺はネクタイなんざ一生結べなくてもよ!野球と和奏の事で頭がいっぱいなんだよ
「あっ!私がやりますよおばさん!」
食べ終えた食器を片付け終えた和奏がエプロン姿で母さんに近付いた。
「あらあら?ごめんね~じゃ!お願いします」
母さんは和奏にネクタイを手渡すと椅子に座りまたご飯を食べ始めた。
「はい!翼、動かないでね!」
和奏は俺の前に立つと丁寧に首からネクタイを回し結んできた。
くぅ~!こんな夫婦みたいな事一度やってみたかったんだよね~!
全くチラチラ上目遣いで俺を見てくるとまた俺の下半身で眠る毒虫が暴れ出しちゃうよ。
「はい!出来たよ!」
「お、おう!ありがとうな!」
畜生~!俺はいい嫁さんを持ったもんだ!たくっ…可愛らしい女の子が家に置かせてくれとか言ったら俺は絶対置かせるね!優柔不断な男なんざ大嫌いだ!
って俺何言ってんだろ……
ピンポーン!
インターホンの音が家中に鳴り響いた。
まあ誰だか分かるがな良之しかいない。
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