私が中学生の頃に起こった、とある事件の話です。

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突然、Bが全く学校に来なくなった。 一週間、二週間……三週間が過ぎても顔を見せない。 奇妙な噂が乱れ飛ぶ。 Bと一緒に、Aの母も姿を消したらしい。 家を出て、二人でどこかへ行ってしまったらしい……。 もしかして駆け落ち? 不倫とかそういうやつ? 生徒たちが、ざわついてた。 けれど同時期にAも学校に来なくなっていたから、事情を聞きだす手段がない。 「ねぇ。 家たしか近所だよね? 何か知らないの?」 友達に聞かれ、慌てて首を振る。 「え、何にもわかんないよ」 本当なのかな、その噂。 だとしたら何なの? すごい怖い。 住む世界が違うとは言え、同い年なのに、とんでもないことをする人間がいるもんだな。 そんなことを考え下校しながら、何だかちょっと悔しかった。 交流はないけど、近くに住んでる身なのだから、自分もすごいスクープ情報を手に入れて、友達に自慢したい衝動に駆られる。
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