第2章 中学生活

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ーーー朝を迎えるのが怖かった。 朝になれば学校に行かないといけない。 行くのをやめるか。 いや、行かなかったら母さんが心配する。 日本人だといっていじめられたと知ったら母さんどう思うだろう。 母さん 悲しむだろうか。 いじめられていることは、日本人の母さんには言えない。 母さんが韓国人だったら良かった。 母さんが日本語を話すのも嫌だ。 友達を家に呼ぶのも嫌だ。 友達が母さんが日本人だと知られるのが嫌だ...... 昔日本人が韓国で略奪をしたからって、なぜ僕がお金を巻き上げられなきゃいけないんだ。 殴られなきゃいけないんだ。 物を盗られなきゃいけないんだ。 僕って存在は何だろう...... 半分韓国人 半分日本人 韓国語を話し、見た目も韓国人。でも......日本語は話さなくっても流れる血は日本人? 見た目の差は日本人と韓国人はないけど...... 僕は韓国人なんだろうか。日本人だろうか。 ここは自分の居場所じゃない。足元が硬い地面についていない気がする。 自分は誰なんだろう? 自分は何なんだろう。 自分は何のためにここにいるんだろう? 僕の腹から胸へ、そしてのどを何かが通って叫びとなって出ようとする。 何かわからない想いが薄暗い滝つぼの中をぐるぐる渦をつくって回っていた。
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