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サイレンが近付き、止まった。
警察官三人が拳銃をこちらに向けてきた。
コウジは手を上げた。
抵抗する意思がないと判断したのか、警察官がコウジの元に走ってきた。
手を下げて、両手首をくっつけるような仕草をすると、警察官の一人がため息を吐きながら手錠をかけてくれた。強引に捕まえることはしなかった。
警察官に連れられていく間も涙は流れ続けた。両親と弟との思い出に浸っていたから。人を殺してしまったから。しかし、それだけではなかった。
弟に誇れるような兄ではなくなってしまったのが、今は一番の心残りだった。
彼の最後の涙は、人の道を外してしまったことによる、弟への懺悔の涙だった。
了
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