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「ア、アレクは悪くない。
俺が1人で可哀想だからって、
話し相手を用意しようとしてくれたんだ」
「いいえっ。
これは全部、私の独断でしたこと。
和道さんに非は有りません!」
ゴスッゴスッ。
はいはい、箱の中でレミが怒っている。
そんなことどうでもイイから早く出せと。
茶色が素早く蓋を開けると、
中ではレミがコンパクトに収まっており。
両手両足と口に貼られていた
ガムテープを剥がすと、
それは気持ち良さそうに深呼吸する。
ってココ、男子トイレの中ですけどね。
そしてプリンセス・テンコーの如く
茶色に助けられて箱から脱出し、
ゴツンッ!
和道くんの頭をゲンコツで殴ってから、
その手を擦る。
「やってイイことと悪いことの
区別もつかないの?!
ちょっとそこの図体だけデカイ男ッ!!
言いなりになってんじゃないわよッ。
お仕えしているバカ坊ちゃんが
悪いことをしようとしたら、
止めなきゃダメでしょ」
アレクセイは哀し気に眉毛を下げ、
決意の表情で土下座開始。
だ、だからココは男子トイレで…。
「どうか、この件は内密に願いますッ。
私はどうなっても構いませんが、
和道さんはきっと組長から制裁を受ける。
あんな特殊な家庭環境で、
しかもいつも1人だけの生活。
話し相手もいない孤独な毎日を送って、
和道さんは可哀想な人なんです。
だから、今回だけはご容赦を!!」
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