13.No Regret

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…… 「やっべぇ、レミちゃんじゃないっすか」 「そういうワケでね、当分ウチで預か…」 聞いてないよね。 絶対に聞いてませんよね? 福山さんこと黄色改め『茶色』は、 私の警護担当だ。 いつでもどこでも傍にいる。 ちなみにナカダ氏は取材旅行中で、 彼の警護担当である島さんと丹後さんも それに同行し不在である。 「茶色、レミに手を出さないでよ。 説明した通りカオルの彼女なんですから。 ねえ、聞いてる?ねえってば」 最近では堂々と『茶色』と呼んでおり。 本人もコードネームみたいだからと 気に入っているようだ。 「わあ、最上階なんだあ。 やっぱりベランダも広いねえ」 キャッキャとベランダに出て行くレミ。 私と茶色もそれについて行くと、 どこからか視線を感じた。 「ねえ茶色、誰かに見られてない? き、気のせいかな??」 「は?!マジかッ。 リナちゃんは部屋に戻ってて。 …ああ、いるねえ」 茶色がそれらしき人物を探したところ、 向かいのビルの屋上から こちらを覗いている男が見えたそうだ。 「ちッ。 俺1人で警護が手薄だとナメられたか。 ふざけんなよ!」 凄んでいる茶色は少しだけカッコイイ。 多分その姿をレミに見せたいのだろうが、 残念ながらレミは呑気にデッキチェアで ゴロリと横になっている。 「小野寺さん、イケメン過ぎ~。 緊張する~~。絶対、一緒に住めないぃ」 独り言なのだろうが、 そう繰り返すレミを見て苦笑する茶色。 …この数日後、事件は起きるのだ。
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