13.No Regret

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そりゃもう、 バッサバッサと翼を広げている。 さすが東京、 ペットが逃げ出したのだろうか? それとも本当に野鳥なのだろうか? そんなことを呑気に思っていると、 鳥が何かと闘い出す。 驚いて何度も目をこすったが、 やはり鳥は何かと闘っていて、 どうやらそれは成人男性らしい。 その人物はガタイが良いワリに 俊敏な動きで鳥の首を掴み、 今にも折りそうな勢いだ。 しばらくポカーンと眺めていた私だが、 気付くと叫んでいた。 「そんな珍しい鳥、 殺しちゃダメでしょ!!」 私の声が届いたのか、 その男はいきなり姿を消す。 どうやらこちらから見えないように 身を低くして隠れたようである。 私の声で、 レミと茶色もベランダに出て来た。 「お姉ちゃん、どうしたの?」 「ほら、珍しい鳥がいるの。 それを殺そうとする人がいて、 注意をしたら急に姿を消したのよ」 そんなワケで3人揃って 向かいのビルの屋上を凝視する。 >ぐおおおッ!! 雄叫びが聞こえたのは、 たぶんそのペリカンっぽい鳥が クチバシで先程の男性を攻撃したからで。 「だ、大丈夫かな??」 …そんな心配は無用だったらしく。 それ以降ずっとこの男は、 私たちを監視するようになったのである。
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