13.No Regret

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「レミちゃ~ん。 ちょっとだけ二の腕を揉ませてよ。 おっぱいと同じ柔らかさなんだってさ」 「えーっ、ヤダァ」 「俺のも触っていいから、ね?ね?」 「じゃ、ちょっとだけ…はい」 「うおおおっ、ほてほてしてるッ。 さァ、俺のも触って」 「私は結構です」 「いやいや、触っていい…っていうか 触って欲しい。お願い、頼んます」 「やだ!なんかキモーイ」 きゃっきゃ、きゃっきゃ。 なぜか段々イライラしてくる。 駅でバカップルを発見してしまったのと 同じくらいの不愉快さだ。 「よしッ、決めた。 茶色、カーテンを買いに行くわよッ!」 「へ?い、今から?? 何かあったら怖いから、 成道御一行が戻るまで待とうよ」 「待たない、待つとき、待ちませんッ」 「はいはい。ったく頑固なんだから」 というワケで、 我らは最寄りのインテリアショップまで カーテンを買いに出た。 もちろんレミも一緒である。 茶色は私の警護のため、 店内では常に私の真横にいてくれて。 1時間近く悩んで会計を済ませ、 ようやく帰ろうとしたその時…。 「あれ?レミは?!」 「おーい、レミちゃーん」 携帯に電話しても応答なし。 店内アナウンスを流して貰ったが、 それでも姿を現さない。 「レミ!どこに行ったのレミ!」 不安になって 声を張り上げながら探していると、 見知らぬ老夫婦が話し掛けて来た。 「まさかと思うんだけどね、 さっきガッチリした体格の男が 嫌がる若い女性を連れて消えたのよ。 ひょっとしてアレがお探しの人じゃ…」 ガガーン。 意外な展開。 どうやらあのバレバレ監視の男性は、 私ではなくレミ目当てだったらしい。
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