主管者決定会議

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主管者決定会議

独立行政委員会 国立再生治療先端科学研究所 第66研究室 通称チームサイボーグは、様々な課題を抱きながらも、自衛隊に吸収され、高度国際間・国内紛争問題研究・解決・処理本部 中央管制隊として再生されたことは、前章で述べた。 その課題のうちのひとつが「主管者の決定」である。現況、防衛省の自衛隊となっているが、あくまでも仮の状態である。これは 1.当該技術が最も必要とされるのは、日本の首都的立場でありながら、未だ、その治安が安定していない東京都である。 2.東京都の治安維持は、警視庁が担っている。警視庁の上部組織は、東京都公安委員会であり、東京都知事が主管である。 3.地方分権推進法にも定められている通り、国と地方は、相互協力関係でなければならない。 4.上記自衛隊中央管制隊が主管になることは、地方の立場を無視したものであり、同法における協力関係維持に支障を来たす。 と、小泉純彌東京都知事が猛烈に主張し、本来、牽制関係であるはずの東京都議会までもが、都知事と同じ立場を固持しているためだ。また、自衛隊に吸収されることを批判するのであれば「地方分権推進法」を持ち出すのではなく「憲法9条」を持ち出すべきである。あえて、的をそらしているのであれば、東京都も、このサイボーグは、いずれ武器として使われることを予測しているのではないか、そこに乗り込んでいくために、わざわざ、こんな回りくどい、主張めいたことを言ったのではないかとの声もあった。確かに、祖父は、元総理だし、父も議員、自分は知事なので、早く出世を、と思うのも無理ないが。もう少し、事態を慎重に見極めることも必要だと思われる。 このような状況において、各政党が動かないわけがなく、与党の自民党でも党内会議が開催され、野党の提案を待たずして、内閣が臨時会を招集した。 以下、2066年8月23日から8月24日までの、内藤山登内閣第342回臨時会での要約内容。
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