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「お前があの時俺を裏切ったから!!俺は完全な二酸化炭素にはなれなかった!!!!」
「そ、れは...っ」
「おかげで嫌われもんもイイトコだ。だから今度は...俺が奪う番だろ」
俺は、また指を加えて見てるだけなのか。
本気で好きなやつを目の前にして。
昔裏切った友人と向き合えないまま。
「ぁ...っ」
遠くなっていくヘモグロビンと一酸化炭素の背中。
早くしないと。
呼び止めないと。
行ってしまう。
体内に残してはダメだ。
人体は自覚症状のないまま身体が動かなくなくなる。
そんなのダメだ。
最悪昏睡状態になる。
このままのペースで一酸化炭素とヘモグロビンが歩き続ければ、確実に死に至る。
焦りばかりが身体を巡る。
行かないで。
行かないで。
ヘモグロビン...。
俺を、見捨てないで。
違う。
俺が、行かなきゃっ。
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