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扉が開き、座っている祖父と横にいる綺麗な人が奥さんなんだろうと「こんにちは」と挨拶をする。
「こんにちは」
上から下までジロジロと見られ、「もう少し太ってもいいんじゃないかしら?」と顎に手を当てて何やら考えている。
「雪翔、車椅子のままでいいから横に来い」
「何を言うか!ジイジの横に決まっておるだろう?」
「そしたら母上が雪翔のことを見れませんよ?」
「そ、そうか?」
那智の隣に行くとお茶が出され、黙ってつい下を向いてしまう。
「母上、雪翔が困ってますから辞めてもらえます?」
「あら、ごめんなさい。本当に『人』なのね」
「そうですよ?それが何か?」
「確かに気は人のそれとはまた違うけれど……細かいことはいいわね。私の事はバァバでいいわよ?それと、晩餐用にスーツを何点か作りたいんだけど」
「那智さん……」
「すぐじゃない。帰る時の前日の夜に着せたいそうだ。作らせておけ」
「ふふ。じゃあ、採寸に行きましょう」
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