港町

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その後はジュースをもらったので、それを飲みながらたくさんの生地を隣に座りながら選んでいく。 「もういいわ。帰るまでに出来てますからね?」 「あの、ありがとうございます」 「いいのよ。服は私の趣味ですもの」と言って奥の部屋へと行ってしまったので、グラスを返して応接間まで戻る。 「那智さん」 「今日は機嫌が良かったらしい。得したな」 「普通の人だったよ?」 「今はな……大人しくしてないとお前に嫌われると言っておいたから」 みんながいうほど変な人でもないし、ちょっと怖かったけど、普通の人って感じだったので、みんなが言うほど逃げる必要はなさそうにも見える。 「晩飯までとりあえずゆっくりしてろ」 部屋に戻って開いた本をもう一度読み直して時間を潰す。 みんな大人しくしていたので、ひとつおやつを食べていいよと言い、翡翠にもマシュマロをあげる。 「雪、これ読んで」
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