港町

19/49
前へ
/353ページ
次へ
ゆっくり浸かったのでとタオルである程度拭いてから出て、下着をつけた所で最初に居た浴衣の人達が洋服に着替えてこちらに来る。 「僕まだ服……」 「こちらです」 病院にもあるリハビリ用ベッドに連れていかれ、丁寧に足をマッサージされ、その後いつもリハビリでされている関節の運動もしてもらい、途中「痛い!痛い!」と弱音を吐く。 「失礼いたしました。那智様から多少痛みがあっても続けるように言われておりましたので」 「分かってるんだけど、いつも痛くて……」 「慣れれば痛みも取れてきますし、もっと動かしやすくなると思います」 「詳しいんだね?」 「私共三人は人間界にてリハビリセンターで学んできました」 「そうなの?」 「雪翔坊っちゃまがいつ居らしても良いようにとの御館様と奥様からの命でしたので」 「そうなんだ。ありがとう」 「では、後は重次が致しますので」 「え?」 またうつ伏せにされ、背中や腰をマッサージされ、終わりですと言われた時には気持ちよくて半分寝そうになっていた。
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1777人が本棚に入れています
本棚に追加