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「雪翔相手にするな……昼飯に行くぞ」
「私の分は?」
「無い」
すぐに用意せよと執事の人に言ったと思ったら、すぐさま後ろに回り込んで車椅子を押してくれる。本当はいい人なのかな?と思っていたら、すぐに那智が車椅子を取り返している。
「重次さん」
「はい」
「那智さん達仲悪いの?」
「悪いと言いますか……そっくりと言いますか……」
「そっくり?そうかなぁ……」
二人の言い合いを無視して重次に押してもらって食堂へと移動し、椅子に座り直してふたりが来るのを待つ。
「酷いよ雪翔君、ジイジが押そうと思ってたのに」
「だって、二人共うるさいんだもん!」
「す、すまん」と那智が言うと、素直にジイジも謝る。
似てる……この二人そっくりだ!
食事が並べられ、ナイフとフォークが置かれたが、マナーなど知らないと思っていたら、気にしないで食べろと言われたので、お肉を切って口に入れる。
「美味しい」
「だろう?それは肉に見えるけど魚なんだよ。この辺りではよく食べられる食材の一つでね、南の海にしか生息してないんだ」
「ほんとに魚なの?お肉かと思った」
「捌いてから叩いて、形を整えて焼くだけなんだけど、色々な料理に使われてるよ」
「へぇ」
「ところで、那智」
「何だ?」
「今日はここに泊まるのか?」
「そのつもりだ」
「何日くらいこっちにいるつもりだね?」
「一週間て所だな。それがどうかしたか?」
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