神々の冒涜

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生きることに意味を見出だせない少女がいた。 少女は、とてもセンシティブな感性をしていて、生きることで他の命を貪るのであれば、自分など生きる価値はない。と、成長していくにつれて思うようになった。 少女が高校生になったとき、少女、いや彼女は思った。 「これ以上肉体の成長は望めない。ただ、今のカタチを維持するためだけのために、私は生きることはできない」 彼女は、父親にこのことを打ち明けた。母ではなく、父にしたのは、父はベジタリアンであり、少なからずこのことを理解してくれると思ったからだ。 父親は彼女の期待どおり、少なからず理解を示した。 彼女は父親に、私を殺して欲しい、と言った。 父親は困惑した。思いもよらない言葉だった。 しかし、彼女は続けて言った。 あなたに殺されたいのです。大好きなお父さんの胸で死にたい。 父親はすぐには決断ができなかった。 打ち明けてしばらく、彼女は普通に高校に通った。
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