第七章 『祭りにて、今』

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 宝君達が戻ってきて、部長や他の先輩達のダンスも終わると、現地解散となった。  体育館の更衣室で制服に着替えると、ドレスを持って外へ出る。  この後の予定はなく、翔馬と舞子と三人でご飯でも食べて帰れたらな……とぼんやり考えていると、出てすぐの所で、宝君に呼び止められた。  “この後、時間ある?”  携帯の画面を見せられ、え、どうしよう……と迷っていると、振り返った翔馬が宝君と話をする。  そして翔馬が私の元へと来ると、先に帰るから、と手話で言ってきた。 『じゃあ、また部活で』  振り返った舞子も手を振ってきて、宝君と二人残される。  “産業祭、三保と回りたいと思って”  翔馬が、宝君と私は同じ気持ちだと言っていたが、私達の関係は何も変わっていない。  でも、ちゃんと踊ることができて、一歩を踏み出した今、私は更に大きな一歩を踏み出さなければ、と思っていた。  言葉はなく、一緒に産業祭を回る。  街の伝統工芸品が売ってあったり、郷土料理を振る舞われている。  “三保、お腹空いてない?”  “ちょっと……何か食べる?”  携帯の画面を見せ合って、うどんやおにぎりを買って、仮設テントの中で食べる。
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