最終章 『貴方と一緒に、踊りたい』

3/5
前へ
/136ページ
次へ
『美味しい』  手話で表現すると、三保も美味しい、と手話を返す。  可愛くて、愛しくて、俺は生クリームをフォークですくうと、三保の口元へと持っていく。  しかし、三保はためらっていて、辺りを見渡す。  そこで自分も周りを見ると、チラチラこちらを伺う人がいて、一人こっ恥ずかしくなる。  いや、そんな、分かんねーし……。 『ごめん』  手話をすると、三保は顔を赤くしながら笑う。  “宝君のこと、好きだから、嬉しいよ”  携帯の画面を見せた三保の幸せそうな表情を見て、俺も照れ臭くなりながら笑い返した。  三保のこと、大事にしたい。  恋人として。そしてパートナーとして、これからもお互いを高めあっていける関係を築いていきたい。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加