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~三保にき~
季節はすっかり夏、八月。
お盆休み前にと三日間の合宿が組まれ、私達は海辺の合宿場に来ていた。
九月には大きな大会があり、宝君は鷲尾さんと出場するため、毎日練習に励んでいる。
ちょっとマネージャー化しそうな私だが、練習できなかった分は、こうして夜誰もいない体育館で二人で踊っている。
1、2、3、4、1、2、3、4……。
踊っているのはタンゴ、ほぼ宝君が振付を考えてくれたダンス。
バックコルテ、ファイブステップ、オープンプロムナード。
まだまだ宝君にリードされっぱなしだが、早く踊れるように頑張りたい。
ロックターンにプログレッシブリンク、ライトランジ。
1、2、3、4、1、2、3、4……。
“三保、ちょっと休憩しようか”
一頻り練習した後、私は宝君と気分転換にと外へと出た。
田舎の闇は深いが、その分星が綺麗。
海辺へ出ると、夜風が頬を撫でる。
挿絵:ふよ 様
X:@ifyo061
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