最終章 『貴方と一緒に、踊りたい』

4/5
前へ
/136ページ
次へ
~三保にき~  季節はすっかり夏、八月。  お盆休み前にと三日間の合宿が組まれ、私達は海辺の合宿場に来ていた。  九月には大きな大会があり、宝君は鷲尾さんと出場するため、毎日練習に励んでいる。  ちょっとマネージャー化しそうな私だが、練習できなかった分は、こうして夜誰もいない体育館で二人で踊っている。  1、2、3、4、1、2、3、4……。  踊っているのはタンゴ、ほぼ宝君が振付を考えてくれたダンス。  バックコルテ、ファイブステップ、オープンプロムナード。  まだまだ宝君にリードされっぱなしだが、早く踊れるように頑張りたい。 b22ce685-0250-47c0-a1e2-3270657802c4  ロックターンにプログレッシブリンク、ライトランジ。  1、2、3、4、1、2、3、4……。  “三保、ちょっと休憩しようか”  一頻り練習した後、私は宝君と気分転換にと外へと出た。  田舎の闇は深いが、その分星が綺麗。  海辺へ出ると、夜風が頬を撫でる。 挿絵:ふよ 様 X:@ifyo061
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加