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砂場に座って、暫く黙って二人星を眺めていると、キラッと流れ星が夜空を流れた。
パッと宝君の見ると、彼も私の方を見ている。
そしてゆっくり近付いてきた唇に目を瞑ると、ふっと、優しく振れた。
“宝君、流れ星だったね。見た?”
携帯の画面を見せると、宝君もすぐに返事をする。
“見た。三保と、これからもダンス頑張れますようにって願ったよ”
“……私も同じ”
宝君に笑い返すと、暗闇の中でも彼が笑っているのが肌で伝わった。
社交ダンス部に入部したこと、宝君に出会えたこと、全てに感謝したい。
踏み出した一歩は大きくて、私はこれからも宝君と一緒に踊りたいと思っている。
できない、できないと決めつけないで、踏み出すことが怖くても、挑戦してみることの大切さを知ることができた。
私、これからも踊りたい。宝君と、踊れるようになりたい。
どちらかともなく握った手は温かく、顔を見合わせた私達は星降る夜の下、もう一度二人で笑いあった。
─了─
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