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それは分からないけれど、と言う舞子に、私は悩み悩んで……。
──放課後、翔馬に断りの連絡を入れようとしたのだが、その前に舞子に腕を引っ張られて、第一高校の門の前に来ていた。
どうしよう、流されて来てしまった……。
体操着姿の翔馬が見えると、舞子は嬉しそうに手を振る。最近こそ三人で会うことも減ったが、小学生の時は頻繁に遊んでいたもんな。
舞子の家の庭に自分達の秘密基地を作って、舞子がリーダーになって泥だんごを作っていた、懐かしい思い出がある。
あっち、と指を差しながら体育館を目指す翔馬と、足取り軽く続く舞子の後ろを、私はトボトボついていく。
見て、帰ろう。見て、帰ればいいんだから……。
正直、入部する気は一切なかった。
交流学級で入ったことのある第一高校の敷地も、今日は違う気持ちで歩いており、生暖かいぬるま湯のような空気が、更に気を重くさせる。
そして、二つある体育館の一つに入ると、舞子が何かを感じたらしい。大きな音が鳴っているようでこちらに反応を見せると、私も微かに補聴器を通して音が聞こえてくる。
高い音が鳴ったり、低い音が鳴ったり……綺麗な音楽には感じ取れないが、鳴っていることは分かる。
『行ってみよう』
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