『若恋』榊のひみつ

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熱い手が腰を浮かせた自分の腕を掴んで止めた。 「若…」 触れてもらえる価値はない。 自分は汚れてしまった。 若の手を解こうとしてその手に力が入ったのを感じて若を見る。 「俺が…嫌いか…?」 そんなわけない。 誰よりも大切な人だ。 好き嫌いという感情を越えてしまってる。 「若…、わたしは」 「俺は極道だ。…ひどい世界からおまえだけは守りたかった。守れず怖い思いをさせた。…嫌われても仕方が、ない」 違う。 そうじゃない。 若の手を握り返して若の体を支えた。 「わたしには若だけです。どんなことがあっても」 「…榊」 嫌いになれません。なれるわけなどありません。 告げて若を横にしてそっと若の頬を擦った。 「ずっとそばにおります。安心して眠ってください」 「おまえ…」 「今、氷を替えてきます」
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