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大神組組長の元に預けられた時。
何不自由なく育てられた大神組の跡取りの話し相手に指名された。
勝手気ままに夜を渡り歩き欲望のままに生きる。
権力を従え、親の七光りを浴びた同い年の少年。
「へえ、おまえが俺の話し相手にだと?親父もよくやるな。無駄なことを」
「………」
「榊という名か。榊、おまえは俺のことなど気にせずに好きなように過ごせばいい。俺の相手などしなくていい」
そう言って、大の男を引き連れて夜の街へと繰り出して行く。
何もかもが煩わしかった。
自分に死が訪れてくれることだけを願った自分にはかかわり合いになることが煩わしかった。
ただ早く死が訪れて楽になることだけを願っていた。
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