『若恋』榊のひみつ

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若を守ると決めた。 守るためならなんだってする。 若だけを大神組の犠牲になどしない――― 屋敷に戻り若の傷を手当てし、枕元で眠る若を見守った。 痛々しい傷。 殴られ蹴飛ばされ、それでも自分を守るためにいっさい手出ししなかった若。 熱に魘され苦しむその手を両手で握りしめた。 ♪♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪♪♪ 若の携帯が鳴り始め止まらない。 迷った末に耳に当てると、今夜会う予定らしい代議士の娘からだった。 若と勘違いして代議士の娘は甘えた声で来るのが遅いわ、待ってるのにと一方的に告げて電話を切った。 若を見ると、とても動かせる状態じゃない。 それどころか病院へ連れて行かねばならないほど。 代議士の娘が待ってる。 どうすれば――― いつだったか若の後をつけた時、お相手した若はその後レストルームで吐き戻していた。 そこまでしてでも会わなければならないのか、組のためを思って…… ならば。と、意を決して立ち上がった。
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