272人が本棚に入れています
本棚に追加
若を守ると決めた。
守るためならなんだってする。
若だけを大神組の犠牲になどしない―――
屋敷に戻り若の傷を手当てし、枕元で眠る若を見守った。
痛々しい傷。
殴られ蹴飛ばされ、それでも自分を守るためにいっさい手出ししなかった若。
熱に魘され苦しむその手を両手で握りしめた。
♪♪♪♪♪♪♪
♪♪♪♪♪♪♪
若の携帯が鳴り始め止まらない。
迷った末に耳に当てると、今夜会う予定らしい代議士の娘からだった。
若と勘違いして代議士の娘は甘えた声で来るのが遅いわ、待ってるのにと一方的に告げて電話を切った。
若を見ると、とても動かせる状態じゃない。
それどころか病院へ連れて行かねばならないほど。
代議士の娘が待ってる。
どうすれば―――
いつだったか若の後をつけた時、お相手した若はその後レストルームで吐き戻していた。
そこまでしてでも会わなければならないのか、組のためを思って……
ならば。と、意を決して立ち上がった。
最初のコメントを投稿しよう!