第1章

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元々耳鳴りが年がら年中聞こえる持病があったが、耳鳴りはゴォォォォーーだったり、シャァァァァーーって音だったりしたのに、人の声はブツブツと同じ事を繰り返しているように聞こえる。 耳を澄まし耳鳴りの合間に聞こえる声を聞き取ると、こう言っているようであった。 「殺っちゃえ、殺っちゃえ、殺っちゃえ」 最初何を対象に言われているのか分からなかったが、段々呟いている声になれてくると分かってくる。 「お前に俺を擦り付けた奴を、殺れ、殺れ、殺れ」 そうだよ、一番の元凶は電波の流れを利用して、私にこの霊を擦り付けたあいつじゃないか。 あいつを殺れば、肩に乗っている霊も成仏していなくなるように思う。 家中の刃物を鞄に詰め、H県を目指す。 あいつを殺っても私は悪く無い、霊を擦り付けたあいつが悪いんだ。 耳元で「殺せ、殺せ、殺せ」って言っている霊がそう言っている。 アハハハハハハハ
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