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Yちゃん
じゃあ次は私が小学四年の時に同じクラスだったYちゃんの話をしよう。
このYちゃんなんだけど子供の頃はよく分かんなかったんだけどさ、今にして思えば、多分精神か頭に障害のある子だったんだと思う。
問題行動もいっつも起こしてたし、授業中もジッとしないし、よく分けわかんない事言ってたし。
何よりよく覚えてるのがYちゃんの笑顔。
Yちゃんっていつも笑顔だったんだ。
だけど目は全然笑ってなくて、顔に笑顔が張り付いてるだけの感じ。
そういう子だからYちゃん、よくからかわれたり虐められたりしてたんだけどね……。
だけど、何されてもやっぱり笑顔だった。
だけどYちゃんに関して今でも不思議な事がいくつかあるんだ。
Yちゃんを虐める子達ってさ、必ずろくな目に合わないの。
まあ自業自得だし、罰が当たったって言えばそれまでなんだけど。
階段から落ちた子とか、給食のスープがこぼれて足に大火傷した子とか、高熱出して学校休む子とかも居たよ。
そんな事が続いたからその内Yちゃんを虐める子は居なくなったし、皆極力Yちゃんに関わろうとしなかったんだよ。
まぁ……孤立してしまったって事なんだけど。
だけどあのクソ野郎、Dの奴だけはしつこくYちゃんを虐めてた。
Dの奴は乱暴者でね、よく先生に叱られてたけど、一向にやめる気配がなかった。
男子女子関係なく暴力振るおうとするし、本当にどうしようもない問題児だった。
だけどある日、Dが学校に来なくなった。
不登校になったんだよ。
不登校になったところで誰もDの心配なんてしてなかったんだけどさ。
ある日、Yちゃんが不思議な事を言った。
Dが死んだって。
当然Dは死んでないし、みんな不気味な事を言うなって思ってたけど、深くは気にしてなかった。
だけどYちゃんだけはいつまでも、Dが死んだ、Dが死んだって言ってたんだ。
この時ばかりは、本当に嬉しそうに。
満面の笑みで。
その内にDは転校した。
転校する前Dに会ったって子が言ってた。
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