地下鉄に乗って イベント作品

2/10
前へ
/10ページ
次へ
私は高3の女の子。 名前は、ユリ。 毎朝自宅から1時間くらい離れた高校に通っている。 地下鉄に乗って揺られながら乗り合わせる人の観察をするのが毎日の日課である。 ほとんどの人がスマホを片手にイヤフォンをしている。 眠そうにボーッと1点を見つめている人もいる。 いつもと変わらず観察を続けていると、ふと特定の人に目が止まった。 …カッコイイ! 気になったが、知り合えるわけでもないし、きっと彼女とかだっているんだろうし…。 視線を外そうとしたら、バチっと目が合った。そして、ニコッとしてきた。 …えっ? …見つめていたわけじゃないけど、視線に気づいたの? ビックリしたのもあって、パッと目をそらす私。 気持ちを落ち着かせてもう一度見た。 また目が合った。 そして、さっきと同じようにニコッとしてきた。 …私にだよね? 確認の為周りを見渡すが、私の周りは、サラリーマンとかばかり。気づいている人はいない。 …こんな時どうしたらいいの? 私もニコッって返せばいいのかな? しばらく考えてまた視線を移すと目が合った。 そして、今度は何か言っている。 …なんだろ? 「約束もうすぐだね。」 …約束もうすぐ?って言ったの? そういうと彼は電車から降りて行ってしまった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加