他人の夢

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ある日、私はふらっと町はずれにある小さな本屋に入った。 雑誌や専門書などを一通り見て回り、小説のところで足を止めた。 戸棚の上にある一冊の本を見つけ、背伸びをして取ろうとした。 その瞬間、同じ列の店の奥にふと目を向けた。 そこには少年が。 彼は肩から下げていたバッグに手に取った本を入れながら、もう一度周囲を確認しようとした時、私と目が合った。 そしてはっとした表情となり、本を持つ手が止まった。 少しの間、彼は私を見たまま固まっていた。 盗みをしようとして見つかった時に取る態度ではないように映った。 普通ならすぐに視線を逸らし、本を戻してさっさと店から出て行くはずだが。
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