積年

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問題は結局解決しなかった。 地球上にごみが再び溢れ出した。 一時期はこの問題に真剣に取り組み、誰もがごみを出さないように努力したり再利用するような仕組みを作った。 都市からも田舎からもごみは減っていった。 街は美しさを取り戻し、荒んだ光景もなくなった。 人々の環境に対する意識の向上で地球はこれからも大丈夫だろう。 ごみを出さない工夫は続いた。 しかし、そうはいってもまったくなくなるわけではなかった。 ごみが出る量が減っただけで、廃棄処理して再利用する方法は相変わらず金が掛かった。 普通に物を作るより余程金も時間も手間も掛かった。 費用は財政で賄った。 毎年赤字が出たが、誰も止めようというものはいなかった。
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