プロローグ

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 紳士の朝は早い。  朝日の昇る前、まだ暗闇に包まれている時間に起きねばならない。  起きたらまず、下着のチェックである。紳士たるもの粗相などするべきではないが、真に恥ずべきはそれを誤魔化そうとすることだ。  人間誰しも生きていれば失敗を経験するものだが、重要なのは失敗をどう受け止め、フォローするかである。  紳士に限らず社会人であれば、『報・連・相』に従い失敗の報告と穴埋めをした上で改善策を考え、実行するのが当たり前にできなければならない。  だが人間は得てして弱く、楽な方へと流されやすい。  時には自分から報告できないこともあるだろうが、それは誰しも経験する仕方のないことだと思う。  ただしその場合、失敗は他人から指摘されることとなる。  この時、多くの人は狼狽えたり、逆上したり、ウソを付くことで誤魔化そうとするが、それを素直に受け止め自分を正す事ができるかが紳士と一般人との違いであると私は考えている。
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