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暫くして、電車が停車した。窓の外を見ると、草原みたいなとこにでていた。地下鉄に乗ったはずなのに、変なこともあるんだなあと思う。開いた右側のドアから外に出る。そこで気づく。駅ですらない。ドアの下は草花が青々茂っていて、線路も見当たらない。
「ねえ、ゆうちゃん、久しぶり。」
聞き覚えのある声がした。そちらに目をやると中学生位の少年が立っていた。短いくせっ毛の髪に優しい目、見たことがある顔だった。
「...かず?」
名前を呼ぶとにっこり笑って、コクリと頷いた。
「ゆうちゃん、大きくなったね。4年ぶりかな。」
かずは、四年前、事故で死んだはずの友達だった。
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