木下闇

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   方向を間違えなければ、丘を越えて大学裏へ出れそうだ。  静かな住宅街は、塀を越えて伸びる木が、あちこちで日陰を作っていて涼しい。  けれど、色んなうわさがある。  子供の声がするのに誰も居ないとか、知った道を歩いていた筈が反対側に出ていたとか。  よくある、ロングコートの不審者が出たとか、夜中に美人の幽霊が出るとかいう話も。  どれもサークルの先輩達から聞いた話だ。  この道は一人で通ったことは無いけど、こんな昼間なら心配無い、  はず。  
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